一人不動産会社のオーナーがChatGPTで物件紹介動画の台本とYouTubeタイトルを一括生成:問い合わせ件数が月1.8倍に

一人不動産会社のオーナーがChatGPTで物件紹介動画の台本とYouTubeタイトルを一括生成:問い合わせ件数が月1.8倍に
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一人不動産会社のオーナーがChatGPTで物件紹介動画の台本とYouTubeタイトルを一括生成:問い合わせ件数が月1.8倍に

「また今週も台本が書けなかった……」

YouTubeで物件紹介を始めてから半年が経つのに、週に1本アップするという目標を達成できた週は、ほとんどなかった。撮影は好きだし、物件を歩き回りながら話すのも苦じゃない。問題は、いつも「台本を書く時間がない」という一点だった。

不動産会社を一人で回しているということは、営業も、契約書の作成も、物件の管理も、全部自分でやるということだ。閉店後にパソコンを開いて台本を書き始めても、30分もすれば眠気に負ける。気づけば「来週こそ」を繰り返すループに入っていた。

この記事では、私・田中誠(たなか まこと、46歳)が、ChatGPTを使って物件紹介動画の台本とYouTubeタイトルを一括生成する仕組みを作り上げ、問い合わせ件数を月1.8倍に伸ばすまでの道のりを、失敗も含めてすべて書く。同じように一人で戦っている不動産オーナーや、動画マーケティングに手を焼いているフリーランスの方に、少しでも参考になれば嬉しい。

なぜChatGPTを導入しようと思ったのか

私が運営する「田中不動産」は、埼玉県の郊外エリアに特化した一人会社だ。メインの顧客層は30〜40代のファミリーで、「通勤はそこそこでいいから、広い家に住みたい」というニーズを持つ人たちを相手にしている。競合は大手チェーンから地元の老舗まで、数えればキリがない。

YouTubeを始めたきっかけは、知人の不動産屋から「うちはYouTubeで月10件以上の問い合わせが来てるよ」と聞いたことだった。2025年の秋、試しに物件紹介動画を3本上げてみると、確かに問い合わせが2件きた。チラシで月1〜2件だったことを考えると、可能性を感じた。

しかし問題はすぐに顕在化した。台本作りに1本あたり平均5時間かかっていたのだ。物件の特徴を整理して、ターゲット層に刺さる言葉を選んで、冒頭の掴みを考えて……という作業は、想像以上に頭を使う。週1本を維持しようとすると、週5時間の「台本タイム」が必要になる計算だが、そんな余裕はどこにもなかった。

転機は2026年の2月。同業者のオンラインコミュニティで、「ChatGPTに物件情報を貼り付けたら台本が3分で完成した」という投稿を見た。「どうせ使い物にならないだろう」と思いながら試してみたら、確かに形になった文章が出てきた。そこから本格的に使い方を研究し始め、3か月後には自分なりの型が完成した。

実際にやったこと:ツール・プロンプト・手順の全貌

使ったツールの構成

使っているのはシンプルな3点セットだ。

  • ChatGPT(GPT-4o):台本・タイトル・概要欄の生成メイン
  • Googleスプレッドシート:物件情報の入力テンプレートと出力管理
  • Notion:生成した台本の保管とチェックリスト管理

月額費用はChatGPT Plusの3,000円(税込)のみ。それ以外は無料ツールで完結している。

ステップ1:物件情報をスプレッドシートに入力する

まず、物件情報を毎回一から書かなくて済むよう、Googleスプレッドシートにテンプレートを作った。入力項目は以下の14項目だ。

  • 物件名・所在地(最寄り駅からの距離)
  • 間取り・専有面積
  • 築年数・構造
  • 賃料または売買価格
  • 管理費・修繕積立金(売買の場合)
  • リフォーム履歴・設備の新しさ
  • 周辺環境(スーパー・学校・公園など)
  • ターゲット層(ファミリー・単身・DINKS など)
  • この物件の一番の「推しポイント」(自由記述)
  • 逆に気になりそうなポイント(正直に記述)
  • 動画の尺目標(3分・5分・8分など)
  • トーンの指定(丁寧・フレンドリー・専門的など)
  • 過去に反響が良かった類似物件名(あれば)
  • その他メモ

この情報を一行ずつ埋めるのに、慣れれば10分かからない。物件の図面を見ながら入力するので、自分の頭の中でも物件が整理される副産物もあった。

ステップ2:「台本生成プロンプト」でChatGPTに投げる

スプレッドシートに入力した情報をそのままコピーして、以下のプロンプトに貼り付けてChatGPTに送る。

【プロンプト①:台本生成(メインプロンプト)】

あなたは不動産専門のYouTubeチャンネルのナレーター兼ライターです。以下の物件情報をもとに、YouTube動画用の台本を作成してください。

【物件情報】
(ここにスプレッドシートの内容を貼り付け)

【台本の条件】
・冒頭15秒で視聴者の「あ、自分のための動画かも」という感覚を引き出す
・話し言葉で書く(「〜です」「〜ますよね」「正直に言うと」などを自然に使う)
・物件のデメリットも1つ正直に触れ、それでも選ぶ理由につなげる
・ターゲット層に刺さるライフスタイルの描写を必ず1か所入れる
・最後に「概要欄のリンクからお気軽にどうぞ」という自然なCTAを入れる
・目標尺に合わせた文字数で書く(1分あたり約300文字目安)
・セクションごとに【冒頭】【物件概要】【見どころ紹介】【正直なところ】【こんな方におすすめ】【締め】と見出しをつける

このプロンプトで生成した台本は、平均で7〜8割そのまま使える精度になった。あとは自分でチェックして、物件を実際に見て気づいた「生の感想」を2〜3か所加筆する程度で完成する。

ステップ3:YouTubeタイトルを5パターン一括生成する

タイトルは最初、台本生成と一緒に頼んでいたが、精度が低かった。分けて専用プロンプトで頼むようにしたところ、格段に良くなった。

【プロンプト②:YouTubeタイトル5本生成】

先ほどの物件情報と台本をもとに、YouTubeのタイトル候補を5本作成してください。

【条件】
・検索されやすいキーワードを含める(例:「埼玉 一戸建て 4LDK」「ファミリー向け 物件紹介」など)
・クリックしたくなる「感情的な引っかかり」を入れる
・30文字以内で収める(スマホ表示でも切れないように)
・5パターンそれぞれ、テイストを変える:
 ①数字訴求型(「駅徒歩8分・4LDK・月10万以下」など)
 ②共感訴求型(「子育て世代が本当に欲しかった間取りを見つけた」など)
 ③比較訴求型(「大手に断られた予算でもここまで買えた」など)
 ④発見訴求型(「埼玉のこのエリア、実はほとんど知られていない穴場だった」など)
 ⑤問いかけ型(「都内より広くて安い?郊外ファミリー物件の正直レビュー」など)

この5本からベストなものを1本選び、必要なら組み合わせてブラッシュアップするだけでいい。選ぶ作業は2〜3分もかからない。

ステップ4:概要欄・ハッシュタグも一括で生成する

ここまでできたら、概要欄とハッシュタグも同じ流れで取ってしまう。

【プロンプト③:概要欄+ハッシュタグ生成】

同じ物件情報をもとに、YouTube概要欄のテキストを作成してください。

【条件】
・冒頭3行は「もっと見る」を押す前に表示される部分なので、物件の最大の魅力と問い合わせへの誘導を入れる
・物件スペックを箇条書きで整理する(間取り・築年数・賃料・最寄り駅など)
・お問い合わせ用のメールアドレスとLINEのQRコードリンクへの誘導文を入れる
・関連するハッシュタグを15個生成する(日本語タグと英語タグを混ぜる)
・文体は親しみやすいが丁寧なトーンで

ステップ5:Notionに保管して撮影チェックリストに変換する

生成した台本・タイトル・概要欄をNotionのデータベースに保存する。Notionには撮影チェックリストのテンプレートを用意しており、「この台本のどのセクションをどこで撮るか」をメモしながら当日の撮影に臨む。

台本があると撮影の時間も大幅に短縮された。以前は「何を話そうかな」と物件の前で考えながら撮っていたため、1本の撮影に2〜3時間かかっていた。今は台本を前日に読んでおくだけで、当日は90分以内に収まるようになった。

一週間のルーティン化

現在は以下のルーティンで動いている。

  1. 月曜日:その週に紹介する物件を1〜2件決め、スプレッドシートに情報を入力(10〜15分)
  2. 月曜日:ChatGPTで台本・タイトル・概要欄を生成し、Notionに保存(20〜30分)
  3. 火〜水曜日:台本を読んで手直し、撮影準備(15〜20分)
  4. 木曜日:撮影(60〜90分)
  5. 金曜日:編集・アップロード・タイトル・概要欄のセット(60〜90分)

台本作業にかかる時間は、週あたり合計40〜50分。以前の5時間から約85〜90%削減できた。

正直に話す:やらかした失敗と、どう乗り越えたか

失敗①:生成した台本がどれも同じトーンになってしまった

最初の2週間、ChatGPTが毎回ほぼ同じ文体・構成で台本を出してくることに気づいた。「〜が魅力の一つです」「ぜひご覧ください」のような表現が毎回同じ箇所に出てきて、5本並べると判で押したように似た動画になってしまった。視聴者からも「なんか前の動画と同じ感じ」とコメントがついて、ハッとした。

解決策は「前回の台本冒頭を貼り付けて、重複する表現を避けるよう指示する」ことだった。具体的には、プロンプトの末尾に「※以下は直近の台本の冒頭です。同じ言い回しや構成の繰り返しを避けてください」と前回の台本の最初の段落を貼り付けるようにした。これだけで、ぐっとバリエーションが出るようになった。

失敗②:物件のデメリットをChatGPTが勝手に消してしまった

2件目の動画で、「最寄りバス停まで徒歩15分」という地味なデメリットを入力していたにもかかわらず、生成された台本にはそれが一切触れられていなかった。ChatGPTが「ポジティブな内容にまとめた方がいい」と判断したのだろうか。

その動画を見て問い合わせてきた方が内見後に「バス停が遠いのは聞いてなかった」と怒り、信頼を損ねる経験をした。デメリットを正直に伝えることは、不動産業では特に重要だ。

対策として、プロンプトに「デメリットは必ず【正直なところ】セクションで明示すること。省略・軽視・言い換えは禁止。原文のまま使うこと」という強い制約を追加した。加えて、台本チェック時に「デメリット記載確認」という項目をNotionのチェックリストに加えた。それ以降、このトラブルは一度も起きていない。

失敗③:YouTubeタイトルで「釣り見出し」になってしまった

タイトル生成の比較訴求型で、「大手に断られた予算でも買えた!衝撃の物件」というタイトルを使ったことがある。クリック数は上がったが、動画の中身がそのタイトルほどドラマチックでなかったため、コメント欄に「タイトル詐欺」と書かれてしまった。視聴維持率も悪く、YouTubeのアルゴリズムにもマイナスに働いた可能性が高い。

反省として、タイトル候補5本を生成した後に「この5本のタイトルと台本の内容に乖離がないか確認してください。過剰な表現があれば指摘してください」という確認プロンプトを必ず挟むようにした。ChatGPTが「③番は台本内容と乖離があります」と指摘してくれるようになり、タイトル選びのダブルチェックが習慣化した。

失敗④:物件情報が古いままで台本を生成してしまった

スプレッドシートにコピー元として保存していた過去物件のデータを誤ってそのまま使い、「現在の賃料」として間違った金額が台本に入ってしまったことがある。幸い、アップロード直前に気づいて差し替えた。

これ以来、スプレッドシートに「情報確定日」の列を追加し、プロンプトの中にも「以下の情報が入力されています。特に賃料・価格・空き状況は最新情報であることを確認してから使用してください」という注意書きを自分向けに入れるようにした。

成果の全体像:Before/Afterで見る変化

ChatGPTを本格導入した2026年3月から5月までの3か月間の変化をまとめると、以下の通りだ。

指標

Before(2025年12月〜2026年2月平均)

After(2026年3月〜5月平均)

変化

月間アップロード本数

1.5本

4.0本

約2.7倍

台本作成にかかる週間時間

約5時間

約40〜50分

約85〜90%削減

撮影1本あたりの所要時間

2〜3時間

60〜90分

約40〜50%削減

YouTube経由の月間問い合わせ件数

平均4.3件

平均7.7件

約1.8倍

動画の平均視聴維持率

約32%

約44%

+12ポイント

チャンネル登録者数(累計)

約180人

約520人

約2.9倍

コンテンツ制作の月間コスト

外注費0円(全部自分)+時間コスト大

ChatGPT Plus 3,000円/月

実質大幅削減

問い合わせ件数が1.8倍になったのは、「本数が増えた」こと、「タイトルの質が上がった」こと、「台本があることでトークが整理されて視聴者の理解度が上がった」こと、この3つが重なった結果だと思っている。単純にChatGPTのおかげというより、ChatGPTによって「継続」できる仕組みが作れたことが本質だ。

収益面でも変化があった。YouTube経由で成約した件数がBefore期間の3か月で2件だったのに対し、After期間の3か月で5件に増えた。仲介手数料の平均が1件あたり約35万円なので、3か月で約105万円の追加収益という計算になる。月3,000円のツール代に対して、ROIは計算するまでもない。

さらに広がる活用アイデア:今試していること、次にやりたいこと

今試していること①:ショート動画専用の台本プロンプト

YouTubeショートは60秒という制約があるため、通常の台本プロンプトとは別に「60秒・約180文字・引きから入って物件の一番の推しポイントだけに絞る」という専用プロンプトを作った。ショートからロング動画への誘導が増えており、チャンネル全体の視聴回数底上げに効いている感覚がある。

今試していること②:問い合わせへの返信テンプレートもChatGPTで

「〇〇の動画を見ました。もう少し詳しく教えてもらえますか?」という問い合わせへの返信も、毎回ゼロから書いていると時間がかかる。問い合わせ内容のパターンを6種類分類し、それぞれに合わせた返信テンプレートをChatGPTで生成。今は問い合わせから返信まで平均5分以内で対応できている。

次にやりたいこと:物件紹介ブログ記事の自動生成

YouTubeの動画台本が完成しているなら、それをそのままブログ記事に転用できる。SEO向けのキーワードを指定して「台本をブログ記事に変換するプロンプト」を現在テスト中だ。動画とブログを同じ物件情報から同時に展開できれば、検索経路と動画経路の両方からの流入が見込める。

さらに先のアイデア:地域特化コンテンツのシリーズ化

「〇〇市で子育てするとどんな生活?」「郊外移住者がぶつかる3つのリアル」といった、物件紹介ではなく地域情報のコンテンツもChatGPTで台本化できる。これはSUUMOやHOME'Sでは取れない独自ポジションを作る戦略として、秋から本格的に動く予定だ。

まとめ:仕組みを作れば、一人でも戦える

一人でやっていると、時間はいつも足りない。営業して、書類を作って、客付けして、管理して——そのうえで「マーケティングも自分で」となると、どこかで手が回らなくなる。YouTubeを始めても続かない、という人の多くは「才能がないから」ではなく「仕組みがないから」だと、今は思っている。

ChatGPTは魔法じゃない。使い始めた直後はうまくいかないことも多かったし、プロンプトを何度も書き直した。でも、自分の業種・物件・顧客層に合わせた「型」が一度できてしまえば、あとはスプレッドシートに入力して貼り付けるだけで、プロ品質に近い台本が出てくる。

大事なのは「完璧な台本をChatGPTに作ってもらおう」と思わないことだ。7割の台本をChatGPTに作ってもらい、残り3割の「自分が現場で感じたこと」を加えることで、初めて本物になる。その3割こそが、AIには出せない価値であり、田中不動産にしか作れない動画になる。

まだ試していない方は、今日この記事にあるプロンプトをそのまま使ってみてほしい。最初の1本ができれば、あとは繰り返すだけだ。一人でも、続けられる仕組みさえ作れば、必ず結果は出る。

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